38歳で米民主党代表選出馬の Buttigieg 氏 はブダジェッジか、ブティジェッジか

2020年11月の米大統領選に向けた民主党の候補者選びが始まっている。その中で頭角を現しつつある38歳のピート・ブダジェッジ氏。原語のフルネームは Peter Paul Montgomery Buttigieg で、彼の姓 Buttigieg をどう発音するかは英語話者にも難しいらしい。 インディアナ州サウス・ベンドというシカゴの近くの町で市長をしていて、同性愛者だという。何よりもその若さが目を引く。もし大統領選に当選することになったら、史上最年少になるそうだ。 姓の読み方について、本人がインタビューに答えたビデオがCNNのページにあったので、確かめてみた。私の耳には「ブダジェッジ」に聞こえる。本人は Buttigieg の発音が難しければ「ピート市長」でよいとのこと。 英語話者の間で問題となるのは、 Buttigieg のどこにアクセントを置くか、最後のgをどう発音するのかということではないかと思われる。父がマルタからの移民ということなので、この苗字はマルタ島から来ていると考えるのが妥当だろう。ちなみにマルタ語はシチリア語からの借用語を多く含むが、アラビア語の一種と言える言語だという。 日本語でカタカナ表記する際に問題になっているのは、名前の綴り字 tti の部分を「ダ」と有声化させるか、綴り字どおり「ティ」とするかのようである。朝日新聞では「ブダジェッジ」と書かれているが、日経や産経は「ブティジェッジ」としている。NHKラジオでも「ブティジェッジ」と言っていた。「ブーティジェッジ」としているニュースもある。 ウィキペディアは2020年2月8日現在「ブティジェッジ」とし、発音について[ˈbtəʌ] BOOT-ə-jujという説明を載せている。有声化されるのはBuに強勢が置かれており、tti の部分が非常に弱く発音されるためである。 表記に忠実か音に忠実か。 ダウントン・アビーに出てくるマシュー付の執事兼従者モールズリーという名にも以前から同様の違和感を感じている。彼の名前は Molesley 。 確かにこのスペルをカタカナ読みしろと言われれば、モールズリーとなるのだろうが、英語ではどう聞いても「モーズリー」としか聞こえず、「ズ」の前の「ル」が余計なものに思えてしかたがない。 綴り字に忠実にカタカナをあてるか、音に忠実にカタカナをあてるかでよく例に挙げられる英語姓に Hepburn がある。女優オードリー・ヘップバーンは英語の綴り字に忠実に充てたもの。ヘボン式ローマ字のヘボンは音に忠実に充てたものである。外国人と話したときに通じなくなるような固有名詞にしてしまうより、聞こえたとおりにカナをあてておいてもよいのではないだろうかと思う。 このブダジェッジ氏が大統領になったら、どう呼ぶことになるのだろうか。「ピート大統領」と呼ぶことになるのかもしれないが、呼び方も含めて今後の展開に注目したいものだ。 補足:朝日新聞も2020年2月14日付朝刊で「ブティジェッジ」に変更した。やはり綴り字の威力は強い。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です