シーズン2全8話が終了した。視聴率が回を追うごとうなぎのぼりだったシーズン1の熱狂は冷め、視聴率1%前後の落ち着いたドラマに仕上がっていた。
続編製作は本当に難しい。そう感じさせられた本作であった。そもそも男性主役、何允樂(阿樂)がもう亡くなっている。どうやって話を続ける気かと思ったら、別の男子生徒に阿樂の霊が乗りうつったという設定だった。
それにしても、シーズン1のキャストが 郭書瑤 Kuo Shuyau の演じる謝雅真(小真)と陳慕義演じる濟德宮師父、演劇部の先輩3人などごく一部しか残っていない。ついでに言うなら監督も若手に交代している。
新しいキャストとして参加している 詹曉彤 役の溫貞菱 Jenny Wenは、やたら見覚えがあると思ったら、2017年台湾映画《血觀音》の林翩翩役。2017年台湾ドラマ《我的男孩》(邦題:年下のオトコ)にも後輩シャンプー役で出ていた。
最初のおさげに眼鏡というスタイルだと、だれかよくわからなかったが、 聖宇堂 の仙姑に抜擢され、自信を持ち始めると「おお、この人、林翩翩だ」と気づいた。《血觀音》の中にまともな人物はほとんどいないので、彼女も嫌な女を演じていた。そのあとだったせいもあってか、《我的男孩》のシャンプー役でも裏がありそうな気がしたものだ。このドラマではちょっと自信のない優等生役で、林翩翩の邪悪な感じはない。しかし、こんな美人が自信のない優等生役っていうのはどうも説得力に欠ける。
阿樂の霊が乗りうつる男性主役 張宇軒の役を演じるのは范少勳 Fandy Fan。こちらもいい体格をした太い眉毛のいい男である。2018年台湾ドラマ《HIStory2 越界》(邦題:君にアタック!)で不良少年役をしている。バレーボール選手になり、ボーイズラブに走るらしい。2019年台湾映画《下半場》でもバスケ選手を演じている。
このドラマでは前髪がぱっつん、と切りそろえられているのが「なぜ?」という印象だったが、あまりカッコいい役柄ではないということなのだろう。阿樂の霊が乗りうつっている間は明るいスポーツ少年だが、本来の張宇軒は病弱で水難事故に遭ったという。この体格で病弱って、無理がないか。
《通靈少女2》では二人をバーンと前に出して売り出そうとしたのかもしれないが、反応はいま一つだったように思う。だって、二人ともちょっと暗い役だし。小真が霊と闘う大立ち回りなども今回はなく、かなり地味だった。
今回初めて登場した謝雅真の母役、王彩樺。この人を見ると《花甲男孩轉大人》を思い出す。母は娘の不思議な力を否定し、普通の生活を送らせたいと思っていたが、濟德宮師父に「そのまま認めてやれよ」と言われて初めて娘を苦しめていたことに気づく。ちょっといいシーンだった。
濟德宮師父役の陳慕義。このおじさん、ほんとに神出鬼没で変態さんからいいお父さんまでいろいろ演じている。だけど、私の中では《下一站、幸福》の継父のイメージが強く、どうしようもない困ったおじさんをやらせたらピカ一な気がする。今回の俗っぽい守銭奴的なイメージもいい感じ。
今回の《通靈少女2》は前回のことを思うと不発だったが、いろいろと発見があったのも事実。第8話に出て来る台湾のこっくりさんは、漢字が多すぎてちょっと無理があると思ってしまったのは私だけではないと思う。コインだと大きすぎてどの漢字かわからないので、おちょこに→が書いてあるところにも感心した。注音字母で文字盤作るというのはだめなのだろうか。