レポート添削:教師の負担を減らすことは悪か

日本語教師になって以来、来る日も来る日も非母語話者の書いた文章をチェックし、訂正してきた。語彙や文法のおかしな使い方があると即座に赤ペンを持ってどう訂正すれば日本語らしくなるか考える。ほとんど職業病だ。 “レポート添削:教師の負担を減らすことは悪か” の続きを読む

11月11日は《光棍節(独身の日)》:中国語の《単身》に恋人のいる独身が含まれない話

11月11日は何の日? 日本で認知度の最も高いのは「ポッキーの日」だろうか。しかし、2018年11月11日の朝日新聞には「ポッキーの日」の文字はいっさいなく、「介護の日」「イレブンの日(BS11)」の文字が踊っている。日本記念日協会によると11月11日は46件もの記念日登録があるらしい。 “11月11日は《光棍節(独身の日)》:中国語の《単身》に恋人のいる独身が含まれない話” の続きを読む

「どうかしたのかい?」「どうしたのだい?」@学習発表会

今年の学習発表会は劇だった。娘(小5)はおばあさんの役だった。最初のセリフは「ゆりちゃんがどうしたのかい?」というもの。2週間前くらいにそのセリフを聞いたとき、「どうしたのだい?」と言わないとおかしいと指摘したにもかかわらず、娘は今日の本番、大勢の観衆の前で大声で「どうしたのかい?」と言った。 “「どうかしたのかい?」「どうしたのだい?」@学習発表会” の続きを読む

台湾郷土愛で見直される《台客》スタイルとカラフルなゴム草履

台湾の中国語でしか言わないかもしれないが、《他很台》(彼はとても台湾らしい)とか《台客》という言い方を一時よく聞いた。確か《康熙来了》でアシスタントの陳漢典がチンピラ風の姿で現れた際、司会者の蔡康永・徐熙娣の二人に言われていて、調べた記憶がある。 “台湾郷土愛で見直される《台客》スタイルとカラフルなゴム草履” の続きを読む

「奮発」と「キヨブタ」

初めての結婚記念日に「奮発して」高級レストランを予約していたのに、突然残業しなくてはならない事態が勃発する。さて、あなたは残業する?

というような問題が『上級レベル ロールプレイで学ぶビジネス日本語』に載っていた。

「奮発する」という漢字だけ見ていると、金銭との関わりが感じられない。中国語母語の学習者たちはどう理解するのだろうと思っていたら、やはり「①気力を奮い起こすこと、発奮」(『デジタル大辞泉』)という意味で捉えていた。 “「奮発」と「キヨブタ」” の続きを読む

《小三》と《小王》:《誰先愛上他的》

中国語で《愛人》は妻や夫を指し、日本語の「愛人」にあたる人のことは《第三者》と言う。90年代に中国語を習ったときはそれがちょっとした驚きだった。それが、気が付くと《第三者》は《小三》と呼ばれるようになっていた。

映画《誰先愛上他的》を見るまでは、この《小三》が女性の《第三者》専用だとは知らなかった。男性の《第三者》は「三」に一本「棒」を加えて、《小王》と言うのだそうだ。 “《小三》と《小王》:《誰先愛上他的》” の続きを読む

「的・得・地」の区別があいまいな台湾国語:《命中注定我愛你》第9話から

Youtubeにしつこくあがってくる動画:2008年の台湾ドラマ《命中注定我愛你》『あの頃私たちが大泣きしたあのシーン』というようなタイトルのついたダイジェスト動画をついついクリックしてしまった。 “「的・得・地」の区別があいまいな台湾国語:《命中注定我愛你》第9話から” の続きを読む

日本語の「マッチョ」に対する評価

「マッチョ」ということばをフランス語で聞いたとき、違和感を感じた。

Il est macho.(彼はマッチョだ。)

と言いながら発話者が指していた「彼」は、ガリガリのやせっぽっちだったから。彼はどうみてもマッチョじゃない。なぜ???

しかも、状況から考えて「macho」は誉め言葉ではなく侮蔑を含んでいた。 “日本語の「マッチョ」に対する評価” の続きを読む

句読点の使い方 日本語 vs. 中国語

中国語の句読点「標点符号」の使い方は日本語を母語とする中国語学習者、つまり私にはとても難しい。中国語の場合、文がどこで切れるかは形式で決まるのではなく、内容を考えて決めなくてはならないからだ。

しかし、日本語学習者にとって句読点は何も難しいことはないはずだ。なぜなら、終止形が来ていれば句点「。」中止形が来ていれば読点「、」を打てばいいだけなのだから。

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