日本語の「マッチョ」に対する評価

「マッチョ」ということばをフランス語で聞いたとき、違和感を感じた。

Il est macho.(彼はマッチョだ。)

と言いながら発話者が指していた「彼」は、ガリガリのやせっぽっちだったから。彼はどうみてもマッチョじゃない。なぜ???

しかも、状況から考えて「macho」は誉め言葉ではなく侮蔑を含んでいた。 “日本語の「マッチョ」に対する評価” の続きを読む

『声』アーナルデュル・インドリダソン:登場人物の名前が覚えられない翻訳小説…

エーレンデュル警部シリーズの『湿地』と『緑衣の女』がとてもおもしろかったので、シリーズの続きにあたる『声』を読んでいる。久しぶりのアイスランド・ミステリーである。 “『声』アーナルデュル・インドリダソン:登場人物の名前が覚えられない翻訳小説…” の続きを読む

目覚まし時計売り場に中国人がいない理由/ヨドバシカメラの店員のバイリンガルぶりに脱帽

ヨドバシカメラへ腕時計を買いに行った。腕時計売り場に限ったことではないが、ヨドバシカメラではあちこちから中国語が聞こえて来る。平日の夕方だったので、比較的売り場はすいていたが、私以外の客はみんな中国人なのではないかと思われるほど、中国語ばかりが聞こえてきた。 “目覚まし時計売り場に中国人がいない理由/ヨドバシカメラの店員のバイリンガルぶりに脱帽” の続きを読む

「餃子」はなぜ「ギョーザ」? 《餃子啊!》「ギョーザだよ」と言ったのでは?

中国語を学習し始めて「餃子」を《饺子 jiǎozi》(片仮名にするなら「ジァオズ」)と発音すると知ったとき、首をかしげたのは私だけではないだろう。

「なんでギョーザとちゃうん?」

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趣味(しゅみ)と興味(きょうみ)/《兴趣 xìngqù》と《爱好 àihào》

例1:その人の趣味によって大学の専門を選択するべきです。✕

これは心理学専攻の大学3年生の中国からの留学生が言った文である。流暢とは言えない日本語ではあるが、決して日本語を学び始めて半年や1年の学生ではない。

これまで多くの中国語を母語とする日本語学習者を教えてきたにもかかわらず、私は不覚にも「は? いったいなぜ趣味で専門を決めなくてはならないのか」と思ってしまった。 “趣味(しゅみ)と興味(きょうみ)/《兴趣 xìngqù》と《爱好 àihào》” の続きを読む