新国立劇場バレエ「白鳥の湖」5/4(金)

5/4(金)新国立劇場バレエ「白鳥の湖」を見た。

オデット/オディール     木村優里
ジークフリート王子     渡邊峻郁
生演奏で全幕のバレエを見たのは初めて。劇場の空気感はやっぱり映画館で見るのとちがうとつくづく思った。

オデットが登場した時のただならぬ緊張感。まとっている雰囲気が全然ちがう。こういうのは何故、そしてどうやって伝わるのだろう。
第3幕のオディールと王子のアダージオ。音楽が始まっただけで、もうワクワクしてしまう。場内の観客全員の期待と注視。それに応える精神力。
ヴァリエーションの曲と曲の間は場内が静まり返る。期待と緊張の最高潮。その辺のコンクールとは訳がちがう。そして、その期待にガッツリ応える素晴らしいパフォーマンス。
プロって本当にすごい。観客の心をわしづかみ。こういう経験をしてしまうと、病みつきになってしまうにちがいない。私が普段教室で感じる充実感なんて比ではないのだろう。
踊りや演出にオーバーなところはあまりない。終始比較的上品で控えめな印象。
個人的にオディールはもっと妖艶でもいいかと思うが、王子が愛を誓った後の高笑いが効いていた。
観劇後、アメブロで「まるこ」さんのブログを読み、納得することしきり。
「白鳥の湖」3幕の最後を見るたびに込み上げる「王子ってバカよね〜」という感情…うますぎる「まるこ」さん。私も今回は全くそういう感情が湧いて来なかった。今回の王子は思いが純粋過ぎて、注意力に欠けてしまっただけ。嘆き悲しむ姿に同情すら覚えた。
こんなに離れたところから観ていても、心の態度はこうも伝わるのだ。
この経験から私が感じたのは、劇場とは比べ物にならない小さな教室で、面と向かって授業をしていれば、教師が自信を持っているか、楽しんでいるか、本当に学生のことを考えているか、なんてことは真面目に取り組んでいる学生にはすぐに伝わってしまうにちがいないということ。
これからはしっかり授業の準備して行って、学生たちと楽しい時間が過ごせるよう、工夫しよう。教師にとって授業は舞台である。お互いに充実した時間を過ごすためには、バレエダンサーでなくとも、全力投球すべしと感じた。そして、その努力はきっと学生に伝わるのである。観客を侮ってはいけない。

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