英国旅行中に連絡が来たのだが、ずっと放ってあった書類の作成。いよいよ提出締切日が来たので、重い腰を上げることに。すると、メールをもらったときはきれいに読み飛ばしていた世にも怖ろしい一文があった。
「日本語の書類とともに英語に翻訳したものもご提出ください」
よくよく見るとそのメールの添付書類の中に頻出の日英例文集が入っているではないか。たいして複雑な書類ではないから、この例文集の中のことばでまかないなさいということらしい。だが、私のは少し分野がずれているため、合致する例文がめったにない。
仕方がないので、ネットで同じような文書が英語で上がっているものを探し、コピーペーストすることにした。微妙に自分の言いたいこととずれているものは手直しした。手直しするたびに赤い線や白い線が現れて、スペルミスや文法ミスをチェックしてくれる。世の中本当に便利になったものだ。
Google翻訳も試してみた。日本語から英語に訳させてみる。出てきた英語はどことなく奇妙なのだが、私にそれを訂正できる力はない。コピペした英文を自分で手直ししたものを入れて日本語に訳させることにした。日本語訳が変な場合はこなれたものに修正できる。
すでに夜中の2:00。書類の内容などどうでもよくなってきた。日本語だけで作成していたときはオリジナリティーを出そうなどと考えていたが、私の力でそれは英語にできそうにない。ついに英語で見つかったそれらしい文言を日本語に訳すことにした。最終的に出来上がったものには、何のおもしろみもない平凡な文言が並んぶことになってしまった。
英語力がないとこういう悲しいことになるのだと痛感した。いや、これが中国語に訳すのだったとしても、自力で作文するのは難しい。そんな訓練はしていないからだ。
翌朝4:00頃になってやっと完成した。ネイティブチェックを経ていないので、是非ともお願いしたいと記して送信した。つぎはぎだらけのコピペ文書なので、奇妙なところが多々あるだろうと思う。
A4版一枚ほどのシンプルな書類1枚でこれだけ苦労するのだ。日本語力のない学部留学生がレポートのコピペに走るのもうなずける。2000~3000字のレポートを書くなんて、ものすごい労力が要るにちがいない。やっぱり自分で一度やってみないとそのたいへんさはわからないものだと思った次第である。
結局その日は徹夜して、弁当作りを終えて朝7時に寝床に入った。せっかく時差ボケが治ったと思っていたのに、また英国時間に逆戻りだ。