ローザンヌバレエコンクールで日本人が3人も入賞したというニュースを聞き、遅ればせながらビデオを見てみた。
入賞した日本人3人は3人ともチューリッヒやハンガリーなど海外のバレエ学校に留学中。やはりどんどん海外に出るべきだということのようだ。
特に印象に強く残ったのは、4位に入賞した脇塚優さんの笑顔。クラシックの課題曲、グラン・パ・クラシックを終始笑顔でなんとも楽しそうに踊り、最後のレヴェランスでも笑顔が爆発、感極まったようにさえ見えた。他のアジア系男性ダンサーたちに暗い顔の人が多かったため、特に目を引いた。
あとは、コンテンポラリーの課題曲にも驚かされた。黒の膝丈ワンピースに白い襟、黒いハイソックスという制服のような衣装の女性が白鳥の湖第3幕オディールと王子のパドドゥの曲でコンテを踊る。衣装が体に張り付いたものでないので、コンテらしく見えないが、以前もシンデレラの音楽で箒を持って踊る似たようなコンテがあった。
このコンテは最後の口に指を当ててとぼけた顔をする表情が人それぞれで非常におもしろかった。個人的には5日目に踊っていた長瀬桃華さんの表情が特によかった。この課題曲は、表情をつけて楽しそうに踊っていて、真面目なほかのコンテと一線を画していた。Richard Wherlockという振付家の作品らしい。The Ballet Theater Baselの芸術監督のようだ。
男子にもこの人のコンテがあった。上半身裸で黒いチュチュをつけ、黒い靴下をはき、白鳥の湖第4幕の音楽で踊るというものだった。男性がチュチュをつけている時点で目が点になった。マシューボーンの白鳥ですら、チュチュはつけていなかったような。参加者たちがお手本にするビデオを見ても、わけがわからない。黒いチュチュはまるで浦島太郎が腰に巻いているもののようだ。この作品も最後の鳥らしいポーズがよかった。この振付家はラストのポーズこだわりが強い。
バレエもクラシックばかりでなく、どんどんいろいろなものが出て来る。それがコンクールの課題に使われるというところにも感服せざるを得ない。細かいことは門外漢の私にはよくわからないが、ますます目が離せないローザンヌ国際バレエコンクールだ。