息子のやりたくないこと 親のさせたいこと

中高生が四泊五日で中国の姉妹都市を訪れ、ホームステイをしながら国際交流するプログラムの資料をもらってきた。行く前に3,4回研修があり、訪問の心得について話をきいたり中国語のレッスンも受けたりするらしい。市が主催のため、自己負担四万円という破格の安さである。

中1の春休みにそういう体験を是非息子にさせたいと思い、すすめてみた。

反応は…ちょっと煮え切らない感じだが、「嫌」だそうだ。全く乗り気でないというのが実際のところだろう。

応募には800字程度の応募動機、つまり作文を書かなくてはならない。本人が行きたいと思わない場合、参加できないという仕組みになっている。親が無理やり行かせたのでは、行った先で失礼な言動になって現れるだろうから、当然の措置だろう。

息子にいったいどう言えば、行きたいという気持ちになるのだろう。たぶん息子にすれば、800字の作文を書くなんて面倒だし、言葉も通じないところへ、よく知りもしない仲間と行くなんてとんでもないと思っているのだろう。

「外国に一人で行ってみるのは、きっといい経験になる」とか「いっしょに行く仲間とはきっといい友達になれる」などと夫が言葉を尽くして説明したが、どうも息子の耳には入って行かないようだ。

香港(小1、小6)アメリカ(小3)台湾(小4)とすでに家族と4回の海外旅行を経験している息子には家族と離れて中国へ行くことがそれほど魅力的には映らないのだろう。

最近日本の若者が海外へ留学しなくなったと聞くようになって久しいが、こういうパターンが増えているのだとしたら、非常に残念だとしか言いようがない。

いろいろな経験をさせたいと思い、親は子どもを海外旅行に連れて行くのだが、海外慣れした子はわざわざ自分で苦労してまで海外へ行こうと思わなくなってしまうのか。

だが、本人が行きたいと言わないのにこのプログラムに親が強く勧めるのはおかしいと思う。所詮息子の人生。親の干渉はいい加減なところでやめておくべきだろう。

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