『ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅』

遅まきながら『ファンタスティック・ビースト』シリーズの第1作目をDVDで見た。なぜか2週間ほど前に夫がふらっとローソンでDVDを買ってきた。見よう見ようと思いつつ、なかなか見られなかったが、ついに見た!

J.K.ローリングが脚本ということで期待していたのだが、『ハリー・ポッター』のように原作本があるのとないのとでは話の厚みがちがうと感じた。『ハリー・ポッター』のときはすべて原作を読んでから映画を見ていたので、映画を見てはいるけど、それは原作本の話を追体験しているのであって、映画だけを見ているのとはちがう。

ちらちらと『ハリー・ポッター』につながる名前が出てくるとやたらうれしくなる。ダンブルドアとかグリンデルバルド、レストレンジなどだ。特にリタ・レストレンジという女性についてはまだ何も明らかになっていないが、そのファミリーネームからどうもベラトリックスと血縁がありそう。ブラック家の系図にもこの人が載っていた可能性がある。

気になるのはジョニー・デップやジュード・ロウなどの大物俳優を使うことで観客動員を狙うのはどうかという点だ。主人公4人は比較的知名度の低い人たちで(私が知らないだけかもしれないが)、今までのシリーズを踏襲している気がするが、今後はこういう大物が増えてくるのかもしれない。なんだかイギリス映画の範疇を超えてハリウッドの超大作映画になってしまうのが、少々心配なのである。

オブスキュラスという浮遊する黒い魂のような存在も気になった。虐待にあっている貧しい子どもたちと結びつくものらしい。J.K.ローリングは子どもの虐待や貧困に光を当てようとしているのだろう。放置しておいてはいけないという強いメッセージだ。貧困を自己責任と考えたり、貧困層を排除したりするのではなく、世界中の格差をなくす方向へみんなで努力する。ニュートが動物愛護を訴えるのもこれにつながりそうだ。

『ハリー・ポッター』シリーズに比べると、物語の厚みという部分で今一つインパクトに欠ける『ファンタビ』だが、結局全部見てしまいそうな予感だ。二つの物語が時代はちがえど、同じ魔法の世界でどうつながっているのか、どうしても気になる。ついでにジュード・ロウのダンブルドアもやっぱり見てみたいのだ。あーあ、結局完全にはめられている。

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