学生を叱るにはエネルギーが必要だ。最近学生を叱るエネルギーがなくなってきたと感じる。あまり学生に腹が立たなくなってきたのである。子どもだとすぐに怒ってしまうのだが。
昨日はレポートを全文コピペで出してきた留学生がいて、若い先生がかなりの勢いで怒っているのが耳に入ってきた。すべてwebページの丸写しらしく、情状酌量の余地なしという感じだった。相手の学生はかなりふてぶてしい感じだったので、「〇〇先生、がんばれー」と思いながら聞いていた。
今日は別の学校で交換留学生の入門クラスの学生がひらがなで書く文法問題の宿題を嫌がり、日本人の友だちに代わりにやってもらって提出しているという話を聞いた。初犯ではなく、何度か続いていたため、今日こそはきちんと態度で示さなくてはと、朝からその担当の先生は気合を入れておられた。
そして、私の日本語教師養成コースの文法クラス。日本語母語話者が多数を占めるクラスである。この授業では毎回クイズを実施している。記述が多い場合採点は私がするのだが、番号で答えるだけのものは答案を交換させて答え合わせをしている。教師が採点すると答案を返却されても点数をちらっと見るだけで、どこをどう間違えたかチェックしないと思うからである。
このクイズの第1目的は前回の学習内容の定着を図るためで、点数の善し悪しはあまり重要ではなかったのだが、少し問題が現れ始めた。
答案を交換して採点てもらったのは今日で2回目だったのだが、普段あまり出来がいいとは言えない男子学生が二人満点をとった。1回目も満点だった。実は1回目の試験の満点は25名中4名で、2回目の試験の満点は25名中2名(つまり彼ら二人)だけだった。普段の様子からするとこれはかなり怪しい。
1回目の点数ですでに疑惑が生じていたので、今回は少し注意して見てみた。回答している最中は不正解の答えがいくつか書いてあったのだが、採点済みの答案を回収した際には消しゴムで消して正しい答えが書いてあった。いつ書き直したかははっきりしない。
この行為のためにクイズの公平性が担保できないのは残念でならない。ただ、これを問い詰めてやろうとは最近思えなくなってきた。エネルギーがないというのが最大の理由ではあるのだが、証拠をそろえて追い詰め、問い詰めてもあまりよい結果は産まないように思う。
彼らはどうすれば、自分できちんと勉強して満点をとるようになるだろうか。何と言えば「そんな小細工は無駄だ」と彼らにうまく伝えられるだろうか。
いまだ思案中である。