2019~2020年 噂の台湾ドラマ《想見你 Someday or One Day》

回を追うごとの視聴率の上昇がすごいので、久しぶりに見てみることにした台湾ドラマ。 台湾で《偶像劇 idle drama》と呼ばれるドラマの視聴率は1%前後が相場。初回0.54%という滑り出しだったが、2月16日に迎えた最終話では2.35%になったという。続々と楽しいイベントが中止されて暇を持て余す今日この頃、ちょっと複雑なドラマを見てみるというのはどうでしょうか。

このドラマは脚本が非常によくできている。謎が謎を呼ぶ構造で、新しい事実が明らかになると、また次の謎が生まれる。すると、どうしても次が見たくてやめられない。私は全13話をたった3日で見てしまった。

登場人物の関係と時間軸が非常に入り組んでいるため、見ている途中でメモが必要になるのも特徴と言える。最近はタイムスリップものもどんどん進化して来て、一人ならず複数の登場人物が時間を行ったり来たりする。《想見你》では主に2019年から1998年にタイムトリップするのだが、そこで鍵となるのが「五百(ウーパイ)」という歌手の「Last Dance」という曲だ。当初はあまり好きではなかったが、何度も何度も流れるので、愛着が湧いて来てしまった。

主演の柯佳嬿 Alice Ko は一人二役を演じる。一つは18歳になったばかりの女子高生 陳韻如(チェンユンルー)。35歳が高校生を演じて違和感がないというのは、すごいことだ。ただ、イラッと来るほどおとなしく、陰気で自信のない役。彼女が演じるものとしてはこれまでなかった役なので、演じるのが難しかったそうだ。なぜこんな役を柯佳嬿が演じなくてはならないのかと腹が立つほどだったので、演技として十分に成功していたと言える。最後になぜこういう演出が必要だったのか、理由がわかる。

もう一つの役は威勢のいいお姉ちゃん 黃雨萱(ホワンユーシュエン)。こちらは年相応、いつもの柯佳嬿で、安心して見ていられる。 2011年の映画《雞排英雄 Night Market Hero》やドラマ《小資女孩向前衝 Office Girls,邦題:進め!キラメキ女子》のころから、柯佳嬿が大好きなのだが、その最大の理由は話し方だ。はっきりくっきり、非常にサバサバしたもの言いで、いわゆる《嗲 diǎ》なところが全くない。つまり、子どもっぽい甘えた話し方をしないのである。

もう一人の主人公を演じた、許光漢 Greg Hsu も非常によかった。2016年《植劇場-戀愛沙塵暴 Love of Sandstorm》や2017年《我的男孩 My Dear Boy》、2018年《1006的房客 Meet Me @1006》などに、一風変わった、気になるわき役で出演していたのを目にしている。今回は初めての主役だ。細面の顔立ちも整っているが、なんといっても肌がつるつるで美しい。揚げ物は撮影期間中、勧められても絶対食べなかったらしい。ゲイや変質者といった特殊な雰囲気も出せ、イタズラ好きの明るく魅力的な主役も演じ分けられる。今後が楽しみな若手だ。

このドラマのヒロインを見ていて強く感じるのは、やはり人間自分に素直で、やりたいことをやって、生き生きしている方がずっと魅力的だということだ。人の目を気にして自己を抑圧し、我慢していても何もいいことがない。我慢していると不満ばかりが募るが、やりたいことをやっていくと感謝が生まれる。

人生楽しんだもん勝ち!

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