日付の言い方に変化?「にじゅうなのか」と「はちにち」

2019年4月30日、新宿駅で待ち合わせ場所を探してうろうろしている間、何のキャンペーンかわからないが、「4月27日から」何かが始まっているというアナウンスが何度も入った。

ゆったりとしたテンポの若い女性の話し方で、電化製品の回収の車から流れて来るアナウンスを彷彿とさせる。

しかし、どうしても気になるのは「にじゅうなのか(27日)」という言い方である。「にじゅうななにち/にじゅうしちにち」と言ってほしい。「24日」の場合は「にじゅうよんにち」ではなく「にじゅうよっか」と言うべきだと思うが、「にじゅうなのか」はちがうと思う。

あまりにのんびりした話し方なので、「なのか」を言う頃には「にじゅう」と言った記憶が消えてしまいつつあるのか、だれも気にしている様子はない。何度も繰り返し聞かされていると、自分が間違っているような気さえしてくる。

2013年2月娘の公立小学校入学前の説明会で、若い女の先生が4月8日のことを何度も「しがつはちにち」と言っていて、頭の中が疑問符でいっぱいになったことがある。「ようか(8日)」と「よっか(4日)」の聞き取りに不安を覚えたための配慮だろうか。まさか「にじゅうちにち(21日)」と「にじゅうちにち(27日)」ではあるまいし。

子どもが間違っているというわけではなく、成人した大人がこういうふうに言い始めていることに驚きを隠せない。しかし、この二つはまるで逆の方向性で、混乱状態にあると考えるべきなのかもしれない。

私たちの世代(1960年代生まれ)だって、鳥を数えるのに「いちわ、にわ、さんよんわ」と言ってしまうが、祖父たち(1920年代生まれ)は「いちわ、にわ、さんわ」と言っていた。自宅の庭で鶏が飼われていた時代とめったに鳥を数える機会のない現代とでは状況がちがいすぎるという気もする。

子どもたちが算数の時間に使うので、特に気になるのは「ひとケタ、にケタ、さんケタ」という言い方。私は「ひとケタ、ふたケタ、みケタ」と言う。特に「にケタ」は「みケタ」と聞き間違いやすいので、是非とも「ふたケタ」と言ってほしいが、どうも押し寄せる変化の波に立ち向かうすべはなし、という感じだ。

そもそも「ひとつ、ふたつ、みっつ」という数え方を使う場面すら激減している。子どもたちのお気に入りは「いっこ、にこ、さんこ」だ。「ひい、ふう、みい、よ、いつ、む、なな、や、ここ、とお」という数え方は聞き間違いが少なくてよいと思うのだが、このまま廃れていってしまう運命にあるのかもしれない。

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