2017年ロシア映画『マチルダ 禁断の恋』愛称ニキとマーニャ

ロシア映画を見たのなんて、何年ぶりだろう。キャストやスタッフの名前がすべてキリル文字で表示されていて、全く読めないのがなんだか悔しい。

ロシア帝国の実在のバレエリーナ、マチルダ・クシェシンスカヤ(1872-1971)が多くの男たちを狂わせる話。このマチルダ役の女優ミハリナ・オルシャンスカはポーランド。実際のマチルダがポーランドルーツらしい。

しかし、この映画の中でのマチルダ、負けず嫌いのかなり気の強い女に描かれている。きれいな人というよりは人を惹きつける奇妙な魅力の持ち主。だが、主役を踊るために32回転フェッテの練習を血まみれになりながらするような面もある。

実在のマチルダは皇帝の元愛人としてかなり裕福な生活を送り、99歳まで生きたらしい。ニコライ2世はドイツから来た花嫁アリックスと結婚し、4人の皇女と1人の皇太子をもうけるが、ロシア帝国の終焉とともに2018年に一家全員殺害される。

このロシア帝国最後の皇帝をなぜかドイツの俳優が演じているのには驚いた。お妃になる人ももちろんドイツ人だが。最近はこういう国際的なコラボが多いのだね。中国の歴史映画に日本人や韓国人が呼ばれるようなものか。

この映画でひとつ勉強したのは、「ニコライ」の愛称が「ニキ」、「マチルダ」の愛称が「マーニャ」だということ。子供の頃読んだ本に「マーニャ」という女の子が出てきた。それは「マチルダ」の愛称だったのか。

「ニキ」と聞くと、私の頭にはフランスの女性前衛芸術家ニキ・ド・サンファルNiki de Saint Phalleが浮かんだ。ニキが女性の名前のように思えていたので、不思議な気がしたのだ。ヨーロッパの人が我々日本人の名前を聞いても男性か女性か想像がつかないように、我々も名前を聞いただけでは区別がつかないことがしばしばある。

90年代にポーランドへ行ったとき、クラクフ大学の日本人留学生に名前にも男性形と女性形があり、女性の場合母音の/a/で終わるというような話を聞いた。もう少し詳しく知りたいと思ってネットで見てみたが、どうも男性形と女性形があるのは姓の話らしい。「ニコライ」の愛称が「ニキ」だと決まっているわけでもなさそうだ。複雑すぎてやはりよくわからない。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です