UK旅行ロンドン:地下深くにトイレがある謎

今回のUK旅行は一人旅だったのだが、3年ほど前に思い立った当初は70代の母といっしょに行こうと考えていた。そこで、もし母といっしょだったらどうなっていただろうかということがときおり頭をよぎった。

高齢者にはハードルが高いだろうと思ったのは、トイレの少なさと遠さ、そして、往々にして必要となる階段移動である。

大英博物館のグレートコートには立派なトイレがあるのだが、地下の奥深くだった。トイレの表示を見てからたどり着くまでいったいどれだけ階段を降りなければならないのかと思うほど遠かった。フィッシュ&チップスで有名なRock & Sole Plaiceロック&ソウルプレイスのトイレも地下深かった。地下にトイレを作ると何かいいことがあるのだろうか。

足が悪くなると階段をのぼるのもたいへんだが、おりる方がたいへんな場合がある。膝が痛いときは私ものぼるよりくだる方がつらい。それなのに、この階段! ロンドンの古い建物は地下にトイレが多いのだろうか。

ソーホーにある宿泊先の古い建物はトイレが最上階にある。下にもあるかもしれないが、少なくとも私は上のトイレに行くように言われた。

地下にせよ、最上階にせよ、トイレに行くのに階段移動があるというところに疑問を感じてしまう。ロンドンの多くの公衆トイレは地上から地味な階段を下りて地下に行くものが多いらしく、日本で育った者としてはそれがトイレだとなかなか見抜けない。

日本の百貨店などでは出入口のある階(地下1階や2階でも)にはトイレがないことが多く、客以外の人が通りすがりに利用するのを食い止めようとしている意図を感じるが、公衆トイレは普通地上1階に設置される。地下や上層階に設置するにはコストがかかるというのが大きな理由だと思われる。

日本でも以前はトイレを「ご不浄」と言い、家の内側ではなく、外に作られることが多かったが、ロンドンではトイレを地下に隠して見えにくくしようとしていたのではなかろうか。そういった昔からの習慣が現在のトイレ事情にも残っているのではないかと感じた。

それにしても、車いすで移動する人たちはいったいどうやってこのトイレへの階段地獄に対処しているのだろう。地下鉄でもまだまだバリアフリー化していない駅がたくさんある。電動車椅子の人や杖を使っている人は見かけたが、介助の人が車椅子を押しているといった風景はみかけなかった。古くからある大都会の課題としてバリアフリー化があるのかもしれない。

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