2018年12月1日兵庫県立芸術文化センターでのマリインスキーバレエ『ドン・キホーテ』、すばらしかった。メインダンサーたちが美男美女ぞろいな上に踊りも魅力的で、もう今日は大満足。
ナデージダ・バトーエワ Nadezhda Batoeva のキトリ、元気で輝くようだった。1幕のバリエーションは闘牛士たちの横で回転するところ、ものすごく音楽が速かったが、キレキレの踊りを見せていた。ウラジーミル・シクリャローフ Vladimir Shklyarov のバジルも跳躍がすごかった。主役二人がソロで踊り始める直前は場内が静まり返って緊張が高まるが、二人はそれに臆することなく、むしろ期待に120%答える素晴らしい踊りを披露していた。
噂に聞いていた永末メイは本当になんてかわいいダンサーだろう。キューピッドをそれはそれは楽しそうに、そして気持ちよさそうにのびのびと踊っていた。
マリア・ホーレワ Maria Khoreva の森の精の女王も素敵だった。何がとうまく説明できないが魅力的。東洋の踊りのユリア・コブツァール Yulia Kobzar の腕の動きはとてもなめらかで不思議だった。すごくいい踊りをしていたのに、プログラムには名前や紹介がなく、残念だった。
ソリストたちはことごとく音楽に合わせて動きをピタッと止めて魅せる。とても丁寧に踊っている感じがした。
1幕キトリのバリエーションで涙が出た。なぜかよくわからない。これはたぶん私個人の問題。娘が去年のクリスマスに踊っていたのを思い出し、プロはほんとにすごいなぁとものすごく感動した。
バレエ『ドン・キホーテ』にはまだまだ知らない曲がけっこうあることが判明。CDを買って『白鳥の湖』や『眠りの森の美女』のように通勤時間に聞こうか。
どうしても言わずにいられないのが、3幕ラスト結婚式の舞台セット。まるで神社の広場の盆踊り会場のようだった。それまでイタリアの町の広場や居酒屋のセットで異国情緒にあふれていたのに、なぜか3幕後半は提灯がたくさんぶらさがった盆踊り広場。ディテールは多少西洋的なのだが、ぼーっと見ているとその辺の夏祭りにしか見えず、残念無念。
マリインスキーバレエはロシアのバレエ団にしてはアジア人が多いように思う。石井久美子、永久メイ、キミン・キム…。これからの活躍に期待したい。