11月2日封切りの《誰先愛上他的》を台北の美麗華大直影城 Miramar cinemaまで見に行った。それだけを目的に来た1泊2日台北旅行なので、朝一番に乗り込んだ。数ある映画館の中でなぜここを選んだかというと、ここの観覧車が何度も台湾ドラマに映るので、一度見に行こうと思ったからである。
平日朝の8時台の捷運がどの程度込むのか見たくて、台北車站から淡水信義線に乗り、中山站で松山新店線に乗り換え、南京復興站でまた文湖線に乗り換え、劍南路站まで行った。以前、台湾からの交換留学生が「友人や家族に体験させたい日本」というテーマのスピーチで、東京の朝のラッシュ時の電車に乗せてみたいと言っていた。台湾と日本はそんなに交通の混雑具合がちがうのかと疑問に思っていたのである。
最も混雑が激しかったのが、南京復興站で文湖線の電車に乗るときである。来る電車に乗り切れないほど多くの人が並んでいるのだが、台北の人々は電車がギューギューになるまで乗り込もうとしない。大阪だったらもっと乗れるはず!のところで乗るのをあきらめ、次の電車を待つのである。それでなかなか列が進まない。頭の中がはてなマークだらけになる…。
先日の人身事故で阪急電車が朝のラッシュ時にしばらく動かなくなった直後は、人の乗れる限界に挑戦するような満員電車を体験した。日本ではみんなかなり必死になって電車に乗る。しかし、台北では多くの人がなんとも上品に次の電車を待っている。他人と近づきすぎたくない欲求が強いのか、精神的余裕があるのかどちらかは不明だが…。
さて、劍南駅を出ると初めて来たのに見慣れた観覧車。
人気のないショッピングセンターのあちこちにもちらほらと見慣れた光景が。
《小資女孩向前衝》でカップルになった沈杏仁と秦子奇が手をつないで歩いていたのはこの通路?とか、買出しに来てたのは、もしやここのカルフール?とか、《16個夏天》で唐家妮(林心如)が勤めていたカルフールはここじゃなさそう…などと一人楽しくあちこちをきょろきょろして歩く。
映画のチケット窓口はなんと1階にあった。うろうろしてたから気づいたが、時間ギリギリに駆け込んで来ていたら、絶対見つけられなかっただろうと思う。いや、上に上がってからも買えるのかもしれない。そうでないと、スクリーンのある8階まで行ってからまた戻ってこなくてはならない。
チケットは一般310元のところ、早朝割引で260元で見られた。朝早ければ1000円くらいで見られるわけだ。値段は日本と変わらない。
しかし、驚いたことに、330人収容の劇場で大きなスクリーンを見上げているのはなんと私一人。平日9:30から映画を見る輩などいないということらしい。なるほど、こういうわけで早朝割引があるわけだ。
映画館があちこちにありすぎるからなのか。そもそも映画館に、いやショッピングモール自体にすら客がほとんどいない。
日本ではどんなに朝早くても一人ということはない。今回の旅行でも早朝の飛行機に間に合うよう、4時台の始発に乗ったが、どこから現れるのかかなりの人が乗っていた。どこへ行っても人がいる日本。台湾は人口が少ないということか。ヨーロッパの美術館を思い出した。名画の前に人だかりがないなんて、日本では考えられない話だと思った。
どうも我々はなかなかたいへんなところに住んでいるらしい。