orz と 囧:留学生に通じない顔文字

書店でイギリスの旅行ガイドを探していたら、イギリスに住んでいる日本人が描いてる漫画の本があり、立ち読みしてみた。

すると、「orz」が何を意味するか、イギリス人には通じなかったという話があって、説明すると大笑いされたとあった。

実は、私もこれを読むまで「orz」の意味することがわからなかった。でも、言われてみると納得。なぜ日本では顔文字のような文字の使われ方がここまで普及したのか、少し不思議に思った。

2018年前期のビジネス日本語の授業で、村野節子ほか著(2014)『上級レベル タスクで学ぶ日本語ビジネスメール・ビジネス文書』という本を使用した。ウォーミングアップと称した最初のタスクは、友達に送るメールのような言葉遣いで書いてあるのを、ビジネスメールに書き換えるというものである。

そのくだけたメールの中に「m(_ _)m」という顔文字が入っていた。すると、中国人の男子学生が「これ、全く意味がわかりません」と言い始めた。「頭を下げているのを前から見たらこんな感じになるでしょ」と説明する必要があった。

しかし、中国語圏に顔文字がないかというと、そうでもない。「囧 jiŏng」という困った顔にしか見えない漢字があるではないか。もともとは窓のことで、のちに明るいことを意味するようになったらしい。あまり使われない漢字だったが、現在は「困った顔」の意味で流通しているようだ。

これも、日本の顔文字文化に触発されてのことらしい…。日本の顔文字文化はものすごい勢いで発達していて、外国の追随を許さないようだ。今は各国の文字を駆使して、つまり、タイ語、韓国語にグルジア語まで使って、さらに細かいニュアンスを持つ顔文字を考案している人も。

今はもうあんな顔文字に頼らなくても、いろいろな顔の表情のイラストが挿入できる。でも、一文字分のスペースに顔が入っていると、小さすぎて表情までは見えにくい。顔文字はその点もう少し大きく表示できるので、今さらながら、(いや、老眼の入ってきた今だからこそ)助かる~と思う今日この頃である。

emotionと呼ばれる英語の顔文字は、横向けだという記事を見つけた。しかし、これは見にくくないのか。ところ変われば品も変わるということか。

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