避難する留学生

地震の翌日にある留学生が一時帰国したというメールを事務から受け取った。

母親が泣きながら帰ってくれと言うから一時帰国すると言う。

それを読んで「息子、愛されているなぁ」と思うと同時に、「これで息子は単位を落としてしまうけど、それで母はいいのか」などと考えた。

そして今日、地震後初めての授業。欠席している人が意外に多い。

来ている人に尋ねると、今日お休みのだれだれさんは体調が悪いとか福岡へ避難したとか。中国への帰国便はすでに価格が高騰していて手に入りにくいそうだ。しかたがないので、日本国内の大阪じゃないところへ行こうということらしい。

なんてこったい、このくらいの地震で、と思ってしまった。

ここ最近あちこちで耐震工事などの地震対策を進めてきたおかげか、今回の被害は思った以上に小さかったと思う。

超過密ダイヤの朝の通勤時間帯にもかかわらず、電車は一両も脱線していないし、死者は1桁台だ。

それでも、全く地震のない地域から来た留学生たちにはものすごい衝撃だったというのだ。不安で全く眠れないと訴える学生。いつ地震が来てもよいように必需品や貴重品を持ち歩く学生。

このくらいの地震、と思っているのは超ラッキーだった私だけなのかもしれない。留学生ではないが、飛び出して割れた茶碗や皿を片付けるのに、丸一日かかったとか、エレベーターが使えず16階まで小さな子どもの手をひいて階段を上り下りしたとか。交通機関に関わっていなくても、やはりたいへんな思いをした人の方が多い。

そういえば、福島の原発事故の時は関西であっても日本への留学自体を取りやめる人が続出したのを思い出す。

ここに昔から住んでいるのでなければ、何を好き好んでそんな危険なところに住む必要があろうか。

避難した留学生たちは、果たして戻って来るだろうか。この地震で来年は関西でも留学生が減るのかもしれない。

 

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です