《我的男孩》の次のドラマに楊丞琳と藍正龍が出ていたので、《前男友不是人》を見始めてしまった。34歳の楊丞琳はまだかわいいし許せるが、そろそろ40歳になろうという藍正龍が制服を着て高校生を演じているのはどうもいただけない。いくら黒縁眼鏡をかけても無理がある。
それでも見てしまうのは、この《前男友不是人》というタイトルがどうも気になってしまうからである。中国語を直訳すると「元カレは人じゃない」だが、原作のタイトルは《前男友是鬼》「元カレは幽霊」だという。
なぜ《不是人》「人でない」が《鬼》「幽霊」になるのか。納得が行かない。私の頭にはどうしても「人でなし」ということばが頭に浮かんでしまう。きっと元カレは人間の心を持たない冷酷かつ極悪非道を極めたとんでもない奴だったに違いないと思えるのである。
それが、《鬼》「幽霊」なのである。実際ドラマの中でも藍正龍が幽霊のように楊丞琳の周りに出没する。
しかし、この《鬼》という中国語、日本語でいうところの、筋骨隆々で角が生えていて金棒を持って人を脅かす「鬼」とは異なり、「幽霊」や「お化け」を指す。
最近は漫画やアニメの影響もあってか、日本の「鬼」をイメージできる中国人が増えているように思うが、「鬼」という漢字を見て一番に思い浮かべるものというと、ずいぶん違いがある。
といっても、人の想像力の産物で実在しない点、人を脅かす点など、共通点も多い。
日本の白くて甘い「粽(ちまき)」と蒸したモチ米の中に鶏肉や銀杏などの具の入った「中華ちまき」程度の差なのが、よけいに紛らわしい。
現在5話まで放送済み。今の段階では、主人公の黎親愛(楊丞琳)は31歳にもなるのに、高校時代の元カレ戴海安(藍正龍)にそこまで未練あるもんかいなという感想しかない。しかも、申し分のない優しい彼氏がいるのに、である。
この現在の彼氏、周立陽役の路斯明、《波麗士大人》《天平上的馬爾濟斯》の頃からちょっと気になる役者である。
異常と思えるほど怒らない、ネガティブなことを言わない彼氏。これから何か秘密が出てくるのではないかと楽しみにしている。