林心如と言えば、破格の視聴率を誇ったあの《還珠格格》（1998）らしいが…未見である。《16個夏天》（2014）はよく作りこまれた話で非常によかった。林心如は当時38歳なのに高校生の頃の場面もカツラをかぶってがんばっていた。
確かに若く見える。だが、私にはあの丸顔が藤山直美に見えてしかたない。藤山寛美、直美親子を心から尊敬する私は、林心如を見て「何を女優然とすましているのか」「はよおもろいこと言うて」と変な期待をしているから、いつも物足りなさを感じる。
今回の役もきれいな役である。現実では41歳のくせに30歳の若く美しく才能あるCM監督、ほぼ現実の自分を演じるような役だ。もちろん失恋などでぼろぼろになる場面もあるのだが、そろそろ喜劇役者に転向してほしい私としては、「そのプライド、はよなんとかしようや」と思えてしまう。
こんな感じの大阪のおばちゃん、いそうではないか。いくらでもおばさん役ができそうなのに、いつまでも無理して若いお姉さんでいるなんて、もったいない。
でも、彼女がおばちゃん役をすると林美秀とかぶるかも。林美秀もいい役者。独身とは思えないほどお母さん役がよく似合う。
ところで、驚くべきは、当時40歳11か月の林心如が2017年1月6日に帝王切開で娘を出産し、5月31日にクランクイン、10月20日にクランクアップしていることだろう。視聴率はあまり上がらず、成功したドラマとはいいがたいが、出産直後のチャレンジとしては大いに評価できる。
それはさておき、この《我的男孩》「なんであんただけ吹替えやねん」っていう人が一人いる。高聖遠 Archie Kao というアメリカ国籍の華僑。すでに米国で活躍しているようだ。確かにセクシーな感じの男性なのだが、吹替えはいただけない。
実際どんな話し方で吹替えにされたのだろうとインタビューを聞いてみると、やはり訛りが強い。今年48歳では、アルファベットを振ってもらって丸覚えというわけには行かないのだろう。しかも、セリフが長い。李李仁の役よりはましだと思うが。
若い男の子3人組がかわいい。章廣辰は《流星花園》のときの藍正龍みたいな切れ長の目が印象的だ。これからが楽しみである。