《老男孩》脚本への絶妙「吐槽」ふたつ

昨日、《老男孩》関連のコメントを拾っていて「確かに!」と感心したのは次の二つ。

1 萧晗は路大智を実の父だと思って16年間育ったと言っているが、そもそも姓が違う(「萧」は母萧薇の姓)ではないか。それまで疑っていなかったはずがない。

中国語圏では夫婦別姓なので、子どもはたいてい父の姓を名乗る。父親がその子を認知しているかどうかは姓でわかってしまうのだ。

それで思い出したのが、2013年の台湾ドラマ《親愛的,我愛上別人了》A Good Wife(日本語タイトル『妻の純愛』)。中国語のタイトルからしてすごく陳腐な不倫物語に思えるのだが、それがどうして、丁寧に作りこまれた、見ごたえのあるドラマだった。ネタばれに近くて恐縮だが、このドラマでは妻と別の男性との間にできた子を夫が認知し、夫の姓を名乗らせている。これだと本当に実の父だと信じて疑わないと思う。

昨日の記事に書いた「CP感」についても《親愛的,我愛上別人了》では全く疑問を感じる余地がなかった。呉争と元妻の萧薇はCP感があると思う。林小欧となぜ合わないかというと、毎日ちゃらちゃらした服を着て若さを見せつけるからではないだろうか。役の設定では林小欧は20代後半らしいので、ファッションアイコンに仕立てようと、これでもかこれでもかとニューファッションをまとわせる。だが、呉争とカップルにすることを考えるならもう少し知的で控えめな感じにしないと。

2 中国のパスポートを持って正規学生としてではなく、聴講生としてアメリカへ行く林小欧。国には当分戻らないと言っていたが、そんな簡単にアメリカへ移住できるとでも?

今は中国のパスポートでなくてもアメリカの長期ビザを得るのは難しいはずだ。聴講生でまずビザが出るのか。アメリカへ行こうと苦労している人が大勢いるのにこの筋書きは安直過ぎるというのである。

久しぶりに見た中国ドラマ…。中国にも真面目にいい脚本を書く人がきっといると思うのだが、当分中国ドラマを見るのはやめておこう。劉燁、林依晨と聞いて飛びついてしまった自分を責めるほかない。この二人も当分ドラマには出ないんじゃないかと思う。

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