『アリー/スター誕生』レディーガガの歌声に打ちのめされる

名前は何度も耳にしたし、ドラマGossip Girlで姿を見たこともあったのだが、この『アリー/スター誕生』に出てきた女性を見ても、言われなければレディーガガだとは認識できなかった。

とにかく奇抜なメイクと衣装で、無機質に踊るというイメージだったので、この人は歌がうまいのかどうかもピンと来ないまま見始めた。

だが、『ボヘミアン・ラプソディー』をしのぐと言われる前評判に違わぬ、歌の良さに打ちのめされた。この人はうまい。そして、音楽が本物だ。口パクじゃない。

彼女のルックスは大柄で大きな作りの顔が、ときにグロテスクにすら見えることがあるのだけど、彼女だからこそ出せるパワフルなパンチのきいた歌声がたまらなく気持ちよかった。

劇中に出て来る「鼻が大きすぎるから君は歌手として売れない」と言うその感覚はやっぱり私にはわからない。小さい鼻の薄っぺらい顔の何がよいのか。

やっぱり歌手は高い声、低い声、ささやき声、パワーのある声、いろいろ出せてこそ、音楽が生きると思うのだ。人間の幅が狭いとそれなりの声しか出ない。お上品に歌っていればよいというものではない。これでもかこれでもかと自分自身の中にあるものを裸にして見せて行かないと、人の共感は得られないと思うのだ。

話は変わるが、この話を見て、西原理恵子の元夫のカメラマンの鴨志田穣がアルコール中毒だったのを思い出した。ジャックは暴力をふるったりしていなかったが、アルコール中毒の本当の恐ろしさは西原理恵子の『毎日かあさん』で知ったような気がする。あの家も壮絶だった。

人は実にささいなきっかけで簡単に堕落する。いくら愛があってもいっしょに生活していくのは難しくなる。

だけど、『アリー/スター誕生』の二人には歌というものが存在していて、本当によかったねと思えるようなラストだった。しかし、自殺はだめだ。残された人が苦しむではないか。

サントラ欲しいなあ。すべての歌詞に深い意味があるところが特にいい。英語の歌詞をじっくり吟味したいものだ。そう思いつつ、『グレイテスト・ショーマン』の歌詞すらまだ十分に吟味していないのだが…。

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