私の中国語の語彙力を飛躍的に高めてくれたのは台湾ドラマ《台湾偶像劇》である。
実は第1子出産後、5年ほどテレビを見ない生活をしていた。もちろん映画も見ていなかった。
それが、韓流ドラマが大好きな同僚に半ば無理やりにDVDを貸してあげると言われた。それは韓流スターが口のきけない役で登場する台湾ドラマで《深情密碼 Silence》(2006)というものだった。
「え~、そんなん見る時間ないよ~」と思っていたにもかかわらず、なんとも素直にハマってしまった。何年もドラマを見ていないとこういうことが起こるのだ。時間のある限り、夢中でDVDを見続けてしまう。何度も何度も、繰り返し繰り返し…
最初は日本語の字幕で見た。次に中国語字幕で見た。わからないところがまだたくさんある。それで、一時停止しては字幕をノートに書きとり、電子辞書で意味を調べ、それでもわからなければ中国人を捕まえて見さかいなく尋ねて歩いた。その頃はごく普通の言い回しがわからず、いちいち「中国語ではこういうふうに言うのか」と感心していた。2010年12月のことである。
今思えば、あまりよくできたドラマではなかった。さっきまで夜のシーンだったのに続きが突然昼になったり、ビルのガラスにカメラが映っていたり…。それでも、ハマるときはハマるのである。
この次に見たのが《流星花園(花より男子)》(2001)。これはうちに夫が香港で買ったVCDがあった。アジア中で大ヒットしたという触れ込みだったが、BGMがなかなかチャチで、ウルトラマンか戦隊ものに使われるような音楽が登場し、笑わせてもらった。
《流星花園》以外にも日本の漫画が原作の台湾ドラマが相当あるが、日本で高校が舞台だと台湾のドラマの中では大学になっていることが多いのが不思議だった。
視聴率を取るためだけの浅薄な内容のドラマもあるが、それから数年かけて見まくった結果、いくつか見ごたえのあるものに出会ったので、おいおい紹介していこうと思う。
その後、英語の語彙力増強を狙って、Gossip GirlやSHERLOCK、Downton Abbeyなど見たが、同じような飛躍にはつながっていない。まだまだ実力が達していなかったということか。でも、最も大きな要因はテレビ断ちしていた直後のようなのめりこみ方ができないからではないかと思う。
